ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

キューブリックに愛された男

 

キューブリックに愛された男 [DVD]

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  • エミリオ・アレッサンドロ
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キューブリックはファンなのでドキュメンタリーを見かけたらまあ積極的に見ているわけだけれども、なかなかおもしろい内容でした。まあたぶんナチュラルにプレッシャーをかけて他人を束縛していくタイプの監督だとは思うんだけど、こういう断ることのできない性格の人を近くに置いておいたんだろうなーと思います。いや、作品は良いけれども人間としては本当に駄目な監督ですよね、キューブリック。監督がやってる引き留めの端々に、「あー自分だったら絶対に近寄りたくないわ……」って思わせるいやらしさがある。まあだからこそ、ラストの「一番面白かったのはスパルタカス」に爆笑してしまうわけですが。なんでよりによってそんな地雷を踏み抜いてしまうのか。

しかしまあ、キューブリックを直接映すのではなくて、ひとりドライバーを間に介することによって、きちんとフィルターがかかった人間像ですよ、というのが明示されるのが良いのかもしれない。「親友がマラソンに行ってる間撮影を止める」とかまあ普通に考えておかしい。直接なら絶対ドギツすぎるアレやコレやのエピソードも、あの倉庫に整理されたモノによってビジュアルで表現されると、「あーそういう人生をこの人は選んだんだよね……」って簡単に否定できなくなっちゃうもん。そういう意味では、なるほどこういう語り方をする必要があったドキュメンタリーなんだなーと思いました。