とにかく制作側の世界観がだだ漏れになっていて気持ち悪いなー。コミュニケーションの話なんだけれども、とにかく他者が人格のある存在として描かれていない感じがすごい。「武器屋のオッサン」という無害ポジションのキャラクター以外、成人男性以上はとにかく自分と敵対する人間であり、害を為してくる……という描き方、これ現実にこういう世界観を信じていないともっと留保つけちゃうよねえ。そして自分の理解者は「奴隷」出身であったり「保護」対象であったりで、それを物理的に助けることで自分が自己肯定感を得る、というのは、「盾の勇者」を選んだ理由が個々に極まれり……という感じで、悪い意味で納得しちゃうよな。いわゆるビッチ系のキャラクターが、擁護のしようのない悪役として描かれているのも、まあそうなるよなーって感じで。
こういう単純で主人公の正義が保障されている世界観で、他者とのコミュニケーションの話を描きましょう、といわれても、そんなん乗れるわけないというか。獣人の子が「別れたくない」みたいなことを言って泣き出したときは、作り手はこのキャラクターを他者に依存している非常にまずいキャラクターとして理解できてんのか疑問で、本当に気持ち悪く思ってしまったよ。