ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

善き人のためのソナタ

 

善き人のためのソナタ [Blu-ray]

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  • ウルリッヒ・ミューエ
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なんか演劇っぽいけど別に演劇ベースというわけではないのか。この筋書きだと、舞台でやってもイイ感じになりそうだよなー。

秘密が平行で進むうちに情報量の差異が想像していない展開を生む、という悲劇のストーリーが大変よろしくて、いやはやホント良くできた脚本だなあと思います。善性が盗聴の存在を隠匿してしまう展開とか、見ていて唸ってしまいますわ。

また、東ドイツの抑圧的な状況にあって、芸術というのがどのような意味を果たしたのか、果たすべきだったのか……というのが描かれているのもいいよなあ。人知れず聞かれるピアノの音楽が主人公の行動を変える大きなきっかけになる、というのもとても良い。

女優の描かれ方だけ、ちょっと気になったというか、損なクジを引いちゃったなあとは思う。もちろん悲劇だからしょーがないのはわかるんだけれども……ラストの決着の付け方、わからなくはないんだけれども、最愛の女性が死ぬきっかけを作った人間を、ああいう風に自分の中で受け入れることはできるのかなぁ。いや、秘密が漏れたのは自分の責任だから、そこら辺で消化できる話ではある、のか……?