ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ナイル殺人事件

 

ナイル殺人事件 ブルーレイ+DVDセット

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共犯の可能性はまあ普通に有り得るわけで、それを前提として考えたらあの鎮痛剤の投与はいかにも怪しすぎるよねえ。で、「遺産相続」って動機はまず真っ先に疑って然るべきでしょ? いやはや、「計画的犯行」って言うけれども、殺そうとするなら普通にもっと怪しまれないようなやりようがあるでしょ、とは思うよね。あそこで殺さなければ何かのチャンスを逃す……というわけでもないでしょ。ま、そこら辺がいかにもクラシックという感じ。解決法も、絶対動かぬ証拠があると言うよりは、むしろ一番合理的で納得のいく仮説に同意する、という感じなので、ガチの推理モノと言うよりは、作品の雰囲気を楽しむものなんだろうなあ、と思った。

でまあ、そう考えるとなんか不思議なくらいポアロが糾弾されているというか、人間としての欠陥の部分に焦点が当てられてしまっていて、うーんそれってなんで? とは思ってしまう。尋問が礼を失している、というのはまあ確かにその通りなんだけれども、それってこの事件の解決に必要なものかしら? 彼が殺人を防げなかったことを責められる展開も、いやいやそれってなんも意味ないでしょ、と思うし。作品中では愛する人を失うカップルが続出して、ポアロもまたそういったバックグラウンドを持つキャラクターであることが、物凄く強調されるけれども、それが上手く生きてるかっていうと全然そんな気もしないし……『オリエント急行殺人事件』であった、地の利を活かした情緒もイマイチ弱いように思えて、なんだか引っかかりなく見終えてしまったなあ、という感じです。