ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

2ちゃん化する世界: 匿名掲示板文化と社会運動

 

全体的にまとまりがあるかというとちょっと疑問もあるんだけれども、各章がそれぞれ興味深い内容で、全体的に面白かった。

第1章のフリーチベット運動に関しては、当時2ちゃんとかデモとかは正直あまり興味を抱いていなかったので全然追いかけておいなかった。でも確かに振り返ると、2ちゃん的なものは本来政治的な動きを忌避していたような印象があるし、なるほどそういうところに転換点があったのかーという納得感がある。その後、民主党の政権交代の辺りも色々関係してそうではあるので、そこら辺ももう少し具体的に知りたいなあ。

また、第2章の内容は、それまで色んなところで知識を断片的には得ていたので、なるほどそことそこをそうやって繋げるのかー、という面白さのある読み物だった。時間が進んだり戻ったりでトピックス毎にストーリーが展開していく感じなので、そういう意味では、時系列順にコンピューターの歴史も頭に入っていた方がいいのかもしれないなあ、とは思った。ともあれ、今問題になっているトピックを大まかに網羅している感じで、自分の問題意識とバッチリシンクロしていて良い感じ。

あと、興味深かったのは5章の香港デモのパートかなあ。さすがに外面的なことは追いかけていたけれども、そこで匿名掲示板が具体的にどのような効果を発揮していたのかを解説する内容で、大変興味深い。2chとはまたアーキテクチャが違うからこそ、社会にも違う効果が生まれる、みたいなのはまあ大好きなところなので……