このBGMなんで採用したんだろうか……いや、もちろんそういう気分を表すのに適切、という見方もわからなくはないんだけれども、これって安易に相手を貶めすぎているというか、演出の色合いが強く出過ぎているよねえ。まあ、作品が最終的に自虐的な視線を含んだラストを迎えることも考えると、かえって極端に戯画化している、とも言えなくはないのだろうけれども……
なんというか、そういうメタ化した視点がないと、かなり危うい題材であることは、作り手の方も自覚あるんだろうし、だからこそクッソわかりやすいああいうポスターとか貼っておくんだろうなあ。それが剥がされるエンディング、というのもまた劇的なヒロイズムを指向していると言えなくはないのだろう。とはいえ、「4年前から報道が変になってしまった」みたいな展開の唐突さとかは、視聴者を突き放しているところあるのかしらねえ。そういう意味では、まあ、そういう紋切り型の勧善懲悪の切り取り方自体が、ある種意図したものなのかなーとも思う。ジャーナリズムのほうこそ「はりぼて」に見えなくもないよね、という感じ。
逆に、その視点がギリギリ担保されていたからこそ、映画としての説得力があったのかなあ、とも思う。じゃなかったら、普通の悪事の告発であって、特に「映画」としてパッケージングをする必要がなかったかもしれないな、とも。