ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ショッピングモールの社会史

 

映画を見るとアメリカのショッピングモールにはなにやら文化的に意味があるっぽくて気になっていたんだけれども、そういう背景を知りたくて手に取った。

ただ、どんな商業的要請があったとか、どんな歴史的背景でショッピングモールが進化していったのかとか、そういう社会史の話であったので、自分の知りたかった文化史とはちょっと興味の範囲がズレていたのだけれども、それでも十分に面白かった。アメリカはモータリゼーションの国であり、だから都市の中心部に存在する百貨店とは差別化される形でショッピングモールが生み出された経緯とかは大変納得で、第二次世界大戦後に世界の覇権を手に入れたアメリカの消費社会において重要な意味を持つ場所なんだなー、みたいなこともよくわかった。

けどこの本の面白ポイントは、もう半分を占める日本のショッピングモールの歴史で、それを読んだだけでも十分元が取れた感じがする。いやもちろん、モータリゼーションで進化したアメリカとの対比で理解できることではあるのだけれども、やはり日本は鉄道の国なんだなあというのがよくわかる。っていうか言われてみれば、小売店が都市の中心部に並ぶ「地下街」ってシステムは、日本の経済発展の歴史が生み出したシステムなんだなーと思った。デベロッパーが土地を買収してショッピングモールごと開発して価値を上げて売る、みたいなアメリカのビジネスモデルが上げられていたけれども、それって日本じゃまんま私鉄がやったことだよなぁ。鉄道のおかげで都市の中心部のショッピングモールも機能しているワケで、いやー、今まで色んな本でそういう記述を見てきたけれども、やっぱり日本は鉄道の国なんだなーと思いました。