ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

戦争は女の顔をしていない

 

面白かったよ、スゲー面白かったんだけどさ……それより何より、これどうやってマンガにしたのかの方がめちゃくちゃ気になるぞ。本当に大丈夫なのか? マジで?

ここまで心配になっているのは、やっぱり『同志少女よ、敵を撃て』が、このドキュメンタリーをデカデカと出して起きながら、しかし全然精神性を読み取れてないな……という印象を受けたからなのだった。っていうか、あの小説ってモロに「男の戦争」としてわかりやすくエンタメのストーリーが語られていて、この本で描かれているような、断片的でわかりづらく語りづらいものとしての戦争は存在していないよね……それって結構ヤバいというか、この作者へのリスペクトがなさ過ぎません? と思う。敬意を払ったつもりであの小説が書かれたなら、それは多分「女」という部分への理解が浅いんじゃないかな……

みたいな感想を抱いてしまったもんで、翻ってマンガ版の方は大丈夫なのかよ……という疑問ばかりが頭をよぎる。だってさあ、「マンガ」という形式で表現する以上、そこに演出意図が強く入っちゃうわけじゃないですか。それぞれの人の語りを整理して、ドラマとしてそのストーリーがわかりやすく頭に入ってくるように、加工を加えちゃうわけじゃないですか。でも、このインタビュワーがしようとしているのは、それとは全く逆のことで、そういった劇的なストーリーでは押し潰されてしまう、断片的な細部を掻き集めることだよね。それを、マンガで、どうやって再現するの? あるいは、そこから一体何を語ろうとできるの?

ドキュメンタリーとフィクションの関係にはめちゃくちゃ興味があるし、フェミニズム的な視点にも意欲があるので、自分も一応、マンガの方に触れておかなきゃならんかもな、とは思うのだった。