ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

同志少女よ、敵を撃て

 

う、う、うーん……

後半で『戦争は女の顔をしていない』がそのままズバリ名前まで出てくるんだけど、現実とそういう接続をする作品で果たしていいのだろうか……なんかめちゃくちゃ混乱してしまった。いやまだ『戦争は女の顔をしていない』自体は読んでないので何とも言えないところもあるんだけれども、でもあの本ってフェミニズムとの関わりをどうなってんだろ。もしも『チェルノブイリの祈り』みたいな筆致で描かれているとしたら、なんというか、かなり繊細なものになっていそうな気がするんだけれども……

なんというかこの小説、変な話、ラノベっぽい。いやもちろん現実とか戦争とかがそういうリアリティで表現されなければならない側面がある、というのはわかる。そもそもこれはエンタメだしね。ただ、それを現実のインタビューを下敷きにして、実際に戦場を体験した女性の視点を元に描くとしたら、本当にこういうリアリティレベルでオッケーなの? という疑問はめちゃくちゃ出てしまう。こんなにドラマティックでわかりやすい戦場における「男女差」の話で本当にいいのか? うーむ……

なんか巻末の選評も、そこら辺に配慮してあるというか、あくまでも「エンタメ小説」としての評価を徹底している感じで、さらにそこら辺の引っかかりを強く感じてしまった。いやもちろん、エンタメ小説としてはちゃんと面白い。面白いんだが、しかし、うーむ……いいんだろうか……