ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

血と砂

 

血と砂

血と砂

  • 発売日: 2017/09/15
  • メディア: Prime Video
 

ジャズ大名! これはジャズ大名のやつじゃないか!

戦争中にジャズなんて流せるわけないからこれは「聖者の行進」部分がファンタジー要素なんだろうけれども、その非現実的な要素が現実の第二次世界大戦のリアリティとぶつかってなんかとんでもないことになっているなーというかんじ。三船敏郎のアクションはいかにも活劇って感じの虚構で、捕虜との音楽を通じた友情なんてまあベタベターなフィクション展開を描いておきながら、それらが圧倒的な現実の戦闘とか終戦というリアリティとかで木っ端みじんに砕けるところを描くのはうおーなるほどーそうなるのかーとなりました。まあそういう理屈抜きでも、どんどんと楽器が減っていってからの最後の演奏パートはまあそりゃあズシッときますよね。映画ならではの表現って感じで大変面白かったです。

しかし三船敏郎……もいいけれども、佐藤允の役柄が良すぎるよなー。楽隊軍団引っ張って突撃して活劇して……ドラマ的にも美味しい所持っていくし、正直三船敏郎よりも印象強い。

あと性へのこだわり、あれ一体何なんだろうか。岡本喜八だからなのか、それともこの作品がそういう題材だからなのか。しかしお春さんが最後にがんばったかというとあんまり機能しているようにも思えず、うーん、そこら辺はやっぱり戦後の記憶のリアリティ的な奴なのだろうか。従軍慰安婦のイメージなんかもそもそもあまり良くわかっていないので、果たしてどう捉えたものか……という感じはした。