ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

 

やっぱオレ橋本忍の脚本好きだわ……いやあ、大変良くできてますねー。メインのアイディアは結構バレバレというか、「知らないうちに父親を殺してしまう」というわかりやすいスジなんだけれども、それを情報量のコントロールでほんと上手いこと悲劇に仕立て上げてるよなあ……「お菊が想い人とそっくり」という偶然性とふたつ重なって、普通なら「もう少し何とか……」となりそうなところなんだけれども、ここまで形式美みたいな物語を見せられるとまあ良いかってなるし、あと後者の偶然は話を回すための潤滑油でしかないからまーオッケーって感じか。いやー、こういうきちんと目先のサスペンスが行われているシナリオに、オレ弱いなあ……

ガッツリ時代劇で岡本喜八監督、という感じはそんなにしなかったけれども、いやまあしかしラストの過剰な桜田門外の変の描き方は「あーやっぱりこの監督ですね」となった。あんなにしつこくチャンバラシーンを描く必要は普通ないと思うんだけれども、広い土地に死屍累々と転がるサムライたちの姿を描くのが、やっぱり必要な作品だったんだろうなあとは思う。そしてラストの後ろ姿の素晴らしさよ……ラストにああいうビシッと決まった絵を持ってこられると、そりゃまあシビレますよねー。