ボンヤリと見ながら、事実に基づいて映画を作るというのはまあ基本危うい行為だよなあとも思う。エンタメのさじ加減で悪人を悪人として描くことは容易にできるわけで、だからそれが現実に影響をもたらすときにその距離感というのは大変センシティブだよなあ。でもそれがこういうふうに良い塩梅で描かれてるのは、絶えず事実に基づいた作品を作り続けてきたアメリカ映画の蓄積があるからだろうなー。それこそ作品内でも『大統領の陰謀』の話が出てたけどさ。
なんてことを思いつつも、そういうことを考える余裕があるのは、まあ映画がそんなに面白くないから、っつーか焦点がぼやけているように思えるからだろうなあ。現実に起こった出来事というのはまあそれだけで面白いのだろうけれども、自分この頃はそんなにアメリカの政治があーだこーだっていうのはわからなかったしなあ。あ、でも散々出てくる戦争に賛成したバイデンって今話題の次期大統領だよね。共和党の政治家もガンガン戦争賛成するタイミングだったんだなー。
あとは、あのラストシーンのベトナム戦争の慰霊碑ね。アレは本当にアメリカにとって傷のシンボルなんだなーという感じがしましたよ。