ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

新聞記者

 

新聞記者 [Blu-ray]

新聞記者 [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: Blu-ray
 

やばい……下手くそ……下手くそすぎる……いやあ、日本のエンターテインメントは現実を下敷きにした作品をつくるのサボり過ぎじゃありませんかねマジで……いやあ……この前に見たのが昨日の「記者たち 衝撃と畏怖の真実」で、あの映画もいまいちパッとしねーなーとは思ったんだけど、この映画に比べたら5倍くらいマシ。

色々ヤバいところはあるんだけれども、まずはとにかく最後に出て来る民主主義の使われ方がヤバイ。というかマジでそういう抽象的な概念を下敷きにするのが下手くそ。行動の下敷きに抽象的な信念を持つことへの恐れみたいなのがもう社会全体に染みこんでるんだなーという感じ。だって文書改竄だけでは弱いから化学兵器の開発なんてわかりやすい悪を持ち込んでエンタメにしたと思ってるんでしょ? いやー、ないわー。

ってかさー、主人公が文書改竄を行ったことに何ら良心の呵責を持ってないというのがもうヤバすぎて呆れる。公職に就く主人公(敵役ではない!)が職業倫理を足蹴にしていて、しかもそれが全く自覚されていないというこの恐ろしさ! なんでこいつが「出産をきっかけに改心する主人公」みたいな役割を負わされるに足る人物として描かれているんだ……そもそもさ、なんで出産シーンで子供の顔を見て喜ぶシーンとか入れないの? 人間として描くべきシーンじゃないの? サイコパスなの?

あと細かいけど、セクハラが云々とか言っておきながら、ラストの新聞社の一番良いシーンで首から提げてるパスケースの色が赤と青で男女分かれてる辺りとかなー、そういうのって配慮するもんでないの? と思ったらこのDVDのジャケットもそーじゃん! この時代にこういう題材を扱っておいてそういうところに配慮できない人間がこういう映画をとるの、わりと絶望的な気分で見ていました。

ってかさー、そもそもこの映画で一番やばいヤツって「ネットで世論を操作」だから。それが問題の俎上に上がってない時点でもう何描いても無駄でしょ。志がありゃなんでもオッケーって分けじゃねーぞもっとがんばれ!!