な……なんやこれ……たぶん見るの3回目とかだけど、なんでこんなに面白いの? ヒッチコックは天才か? いやあすげえ……すごすぎる……
ヒッチコックの映画で「恋愛」みたいな感情って結構お飾りというか、そんな細やかな心理のドラマやってた記憶ってそんなにないんだけど、この映画はそこをテーマに、しかもクッソ変態的に拡張して成立させてるのすごいよね……いやはや……余りに尖っててびっくりしたよ……いやあすごすぎでしょ……普通こんな主人公の動機でストーリーが成立するとか思わないでしょ……後半とかただひたすら主人公の変態性がストーリーを引っ張ってるのヤバすぎでしょ……ウソを軸に鏡映しになったみたいにお互いの感情の行き違いがあるの最高でしょ……いやあ、マジで最高……
そして何より感心したのがあの有名なぐるーっと回るホテルのショットで、いやーストーリー上最も重大なシーンに最も印象的なカットが使われてるのマジすげーなーと思った。いやまあ当たり前なのかもしれないけれども、歴代の映画の名シーンと呼ばれるシーンであそこまで作品的にも重要な箇所で使われてるカットってあります? それまで蓄積して蓄積して蓄積してアレだもんなー。そしてキスのタイミングで背景がアレでしょ。もー設計がすごすぎる。いやーぶったまげましたよ。
あと特筆すべきはラストの切れ味。シスターがゴーン! と鐘を突いてスパッと終わる! もう笑っちゃうくらい完璧なラストになってる。何なのあれ? すごすぎるんですけど。
あとはやっぱり知識が増えると映画の見方も豊かになるなって感じ。サンフランシスコで港湾かーとか、あーあの杉は猿の惑星にも出てたやつだよなーとか、あと気合いの入ったヒロイン出てくるファーストカットの横顔停止、アレって古い人物画の構図をやってたのね……なるほどなー。