掃除の映画だ！
自分は長いことセルフケアみたいなものに興味を持たなかったんだけれども、ようやくちゃんと意識が向くようになったので、この映画がステップを踏んでやっていることがとても大事なんだなあ、というのはよくわかる。まずは掃除が大事。とても大事。
と同時に、支えてくれる人、向き合ってくれる人の存在というのが、いやー本当にデカイよなあと思う。なんでこんなに献身的に支えてくれるの？ という映画の都合とかを感じてしまうところもないわけじゃないけれども、そこら辺で牧師に元妻を寝取られている、というエピソードが結構効いているよなあ。そこまでの慈悲がないと、人を救うとかできんと覚悟を決めたんだろうなあ。
あと面白いのがロイヤルの奇行のシーン。シナリオ上、あそこで何をきっかけに奮起するかってめちゃくちゃ大事なポイントだと思うんだけれども、そこでLSDでイカレちゃった男の、悲しくも美しい奇行を持ってくるのなんかすごすぎるよなあ。そこで家に帰ってきて抱擁、って流れがなんか問答無用の説得力があって参ってしまう。もちろん、ピンクのスーツケースの返却からの展開もいいんだけど、もう少し奇跡的な出来事が必要な流れであったよなあ。
ともあれ、やっぱり主演女優の芝居を堪能する映画であった。頭であんな感じのキャラクターだったのが、映画見終わる頃には味方になってるって、やっぱりすげーことだよなー……
