伊丹プロダクションの映画ってサブスクじゃあんまりやってないのよね。
ってことでようやく見られたんだけど、なんか漠然とした映画よね。宮本信子はとても魅力的だし、キャラが立ってるし、好感が持てるし、ちゃんと人間くさいところもあるんだけど、しかしこう、「○○の女」シリーズの真ん中に立つような存在感があるかというと、想像とちょっと違ってたかもしれない。最初から「マルサ」じゃないってのもまたその感じに拍車をかけてるし……まあ、唯一見た『ミンボーの女』の印象が強かったから、余計期待してしまったのかもしれないなあ。
しかし、そういう「決して強くはない」ところが魅力でもあるというか、山崎努との微妙な人間関係で成立している映画でもあるので、コレはコレでいいんだろうなあ。普通もうちょっと形式的に対立させそうなところを、奇妙な連帯感で転がしていって、それが不思議と好感が持てる……というのは、ずいぶん不思議な感じの映画だよねえ。
あと、画面の比率がテレビサイズよね。顔のアップも多いから、そんなに「映画」って感じがしないのはなんか不思議なところ。いや、かといって「テレビ」という感じかというと、やっぱり手の掛け方が違うので、もう少し高級には見えるんだけど。
ってかさ、途中に挟まる黒バックの季節の表示って、なんか「シャイニング」を思い出すよね。キューブリックの映画は画面比率が同じでも、めちゃくちゃ「映画」って感じがするのは、どこが違うんだろうなあ……