こういうドラマって「あーはいはいいい話のヤツね高尚でよいですね」ってなっちゃうことがなんだかんだあるけれどもこれは不思議と最後まで楽しく観られるのは一体何なんだろうか。小難しいことはせずにストレートに文化の衝突をやっているからだろうか。それとも主人公のキャラクターに共感が持てるからだろうか。うーん、不思議。
いや本当にちゃんとしてるなーって内容で、適度な緊張感と目的意識を持ちつつ、ストーリーが上手く回っているのは本当に良いと思います。娘のサッカーのくだりなんて、もう展開見え見えなんだけれども、それでもうおーよかったねーときちんと落ち着くのは素晴らしいなあ。
あとクリスマスにはちゃんと奇跡が起こるところとか、演劇でわかりやすいほどわかりやすい風刺が起こっちゃうところとかも、普通に考えれば「えー?」って感じなんだけれどもちゃんと納得できるものなあ。なかなかナイスなリアリティレベルであります。
うーん、やっぱり主人公のキャラクター性に好感が持てるのが一番良いのかなあ。金のためではなくて信念のためにフランスにやってくるところとか、その忍耐強さが孤児から医者になったところに求められるところとか、結局サッカーでエキサイトして目をヒン剥いてしまうところとか……聖人君子じゃなくてコンプレックスがちゃんとある人物なのは良いよねー。
あと映画の転換点となる出産シーンは文句なしに素晴らしい出来だと思いました。ああいうユーモアはなかなか出せないよなー。