ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

キューティ・ブロンド

 

おーこれは大変欲望を充足する感じで良い。こういう純度の高い欲望充足はフィクションの面目躍如って感じがする。

まず主人公が美人じゃないのが良い。いきなり額に皺を並べてのカットとかあれわざとやったのか。オッパイとブロンドは与えられていて、努力でちゃんと周囲から尊敬されているけれど、決して素体が抜群じゃないというのは大変心憎いスタート地点である。その失恋がスタートというのも大変優れている。

でもってそのヒロインが一念発起して勉強しだして合格できちゃうのも良い。失恋という共感ポイントを経由してるから全く問題なくストーリーを次のステップに進められる。素晴らしい。

でもって異空間に臆さず自分のスタイルで切り込む主人公の立ち位置がとても良い。ファッションというとてもターゲットに身近な属性を持つキャラクターが、ハーバードの法科という縁遠い空間を自身の特性でガンガン突き進むんだから、そりゃまあ最高にスカッとしますよね。自分の理解者のようにして現れたセクハラ権力者が大きな障害になる辺りとか、うーん大変願望充足を心得ているなあ、という感じ。

そして地味に良いのがマニュキュアおばさんよね。あそこでちゃんと年齢上の層に視線を向けて、だいぶ作品の対象レンジが広がった感じ。素晴らしいエンタメと思います。