ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

島にて

 

島にて

島にて

  • 和島十四男
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地方の過疎を取材したドキュメンタリーなわけだけれども、そこである種の象徴として離島を選んでいるのが良い。陸続きだとなかなかその絶望感が見えづらいけれども、物理的に海で区切られると、人口減の現実が一掃引き立つのは題材の妙だなあと思う。

特に象徴的なのは「子どもがいない」という点で、中学生が皆進学のために島を出てしまう、というのはコミュニティの持続可能性を困難にするんだなあ、という感じがする。お盆で皆が島に戻ってくるパート、もちろん支援団体の企画の力もあるんだろうけれども、やっぱりハレの日感があって、同じ土地でも見え方が全然違うのよね。子どもを奪われたコミュニティというのは、やはり活力を失っていくのだろうなあ。

あとまあ、島への移住者にインタビューがちょくちょく挟まれて、そこに何か希望を見いだしたくなるのが人情ってもんだとは思うんだけれども、そこが圧倒的な絶望に覆われてるのもキツイよなあ。もしもそこに、未来を見出せるような何かの希望があればまた感じ方も違ったのだろうけれども、うーん、どれだけ考えても答えは出てこない問題だしなあ。

もうちょっとこう、冬の日本海みたいなところも撮っておいた方がよかったんじゃ? と思ってしまうような内容だった。