これ、タイトルもうちょっとなんとかならんのか? それでだいぶ損している感じがする。
手書きエフェクトが混じる映像表現って時々見かけるよね。今すぐに思い出せるのは、えーと、『スコット・ピルグリム vs. 邪悪な元カレ軍団』とか、あと『SUPER』とかもそうだっけ? それらは実写+2Dの組み合わせだったけど、この映画は3Dのアニメーションの上に、ベタッと2Dのエフェクトを乗せていて、そこら辺が結構グッとくる。いやまあ、正直今までの映画ではそういった効果がイマイチピンと来なかったし、この映画でも途中までよくわかんなかった。でもクライマックスあたり、母親の頭に手書きの冠が乗せられている瞬間、「あーこれはつまり神の視点におけるフィルターなのだな」ということがわかってめちゃくちゃ感激したのだ。神、というか、語り手の視点? 現実が「かくあるべし」という願いがフィルムに焼き付けちゃっているのがあの手書きエフェクトであって、それはつまりスマホの写真を後付けで加工したりデコったりするのと同じ行為なんだよな。それの構造に気付いて以降、全てのエフェクトが愛おしく思えて仕方なかったし、ラストで実写の写真が作品に取り込まれた時点でもう号泣ですわ。
現実とフィクションを繋いで家族を描くの、いやー、本当にすごいよなあ。この前後に『俺の家の話』を見たこともあって、ますます考えさせられてしまうよ。