ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

お葬式

 

リストア版を劇場で見て良かったなー。多分コレ、自分一人で見たらどこでどのくらい受けるのかが全然わかんなかったと思う。いや、自分の笑いのツボが多分結構違うんだろうなーという自覚はないわけじゃないんだけれども、実際「ココでこのくらい受けるのか……」というのがわかるのは大変勉強になるというか……大滝秀治がひたすら北を考えているシーン、もちろんあそこがユーモラスなのはわかるんだけれども、劇場で大ウケしているのを見てなるほどなーと納得した。ま、平日の朝十時に見たってのも一因ではあるかしらね。

伊丹十三の映画って、サブスクでそんなにやってなくて、今までほとんど見られてなかったのよね。一世を風靡した監督であるハズなのに、見られてなかったのが変な感じ。『お葬式』はデビュー作って話だけど、いきなりもうキレキレの描写で完成されてるなーって印象がある。

人間を人間くさく描いて、それがきちんと面白いっていうのは、いやーほんとすごいよね。ほとんど語られない親戚間の関係なんかが、なんとなーくそれっぽく共感できてしまうのはさすが。ロコツに下品に描かれる不倫パートが印象に残るけれども、ラストの挨拶で「葬式」っていう儀式が残された人間のためのものであることが示されてなんとなく作品としてのまとまりが出るところとか、やっぱり人間そのものを描いた作品だよなーって感じ。大変面白かった。