ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

セールスマンの死

 

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ダスティン・ホフマンの方。テレビスペシャルだったの? 全体的に舞台劇っぽい演出だったし、編集もかなり面白かったのでそんな感じはしなかったな。U-NEXTはこういうちょいマニアックな映画も入っているので楽しいですね。

元戯曲なのはなんとなく知っていて、地味だけれども吸引力のある話だよなーと思う。いや、話と言うよりもキャラクターか。ダスティン・ホフマンの一挙一動から目が離せない感じ。痴呆で現実と虚構の区別がつかなくなりかけている男性は、最近もアンソニー・ホプキンスの「ファーザー」で見たけれども、あの真実がどれなのかわからない作りはやはりキャラクターに強く感情移入するための作りだったんだなーと再確認する。虚実がはっきりとわかると、むしろ周囲の人間に感情移入しがちで、カードに誘ったりお金を恵んだりする隣人の微妙な表情とかが大変味わい深く思えますよね。

そしてまあなんと言っても妻の立ち位置だよなー。話をいちいち遮る当たりとかの女性蔑視が、父子の不仲にもバッチリ関係してくるあたりの作りは大変納得。弟の女好きや、「痩せたよ!」のスルーされ感といい、関係ないようであるような微妙な因果関係があるのが絶妙だよね。

しかしダスティン・ホフマンは、メイクで老けているけれど、実際はまだまだバリバリ若い頃の映画だよね。外見は結構ちゃんと年を取っているけれども、動作に若さ故のキレがあって、人間の目はそこらへんちゃんと見抜くもんなんだなあ。