ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

クライ・マッチョ

 

クライ・マッチョ [Blu-ray]

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  • クリント・イーストウッド
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おお……すごい……とうとうここまでいったか……

いやー、宮崎駿が『風立ちぬ』を撮ったときも、結構行くとこまで言っちゃったなーと思ったけどさー。クリント・イーストウッドはもう彼岸まで行っちゃってる感じがすごいよねえ。どう考えても国境を越えたメキシコが彼岸にしか思えないよ。いや、でもクリント・イーストウッドってここ数十年間、ひたすら「老い」をテーマに映画を撮り続けてるわけじゃん? 枯れて、枯れて、枯れきって、そして行き着いた先がこの映画って感じが、すごくするよねえ。あのヨロヨロの歩き方で映画一本、しかも主演・監督を務めるって、空前絶後って感じだよなあ……

クリント・イーストウッドはセルフ・パロディも散々やってきたと思うけど、まさかマッチョがニワトリってのは度肝を抜かれるよねえ。ニワトリを抱きながらのロードムービーという、その状況だけでも「映画」って感じだけれども、画面の強度を保つだけでなくて、暴力沙汰を切り抜けるためのきっかけがことごとくニワトリになってるのは笑っちゃうなー。車なんて盗んじまえばOKだという割り切りとか、メシを食いにいっただけで急に女ができちゃうとか、現地で急にドリトル先生になっちゃうとか、この力の抜け加減、本当に凄いなーと思います。善し悪しじゃなくて、ただひたすらすごい。