前に絶対見たと思うんだけれども感想が書いてなかったので見始めてしまった。前は「バスがすげえ」って印象しか残っていなかった(雑!)のだけれども、今だとその他にも見所ヤマモリで大変良いですね。というかこの内容を忘れていたなんて、前回は一体どんな状況で映画を見ていたのか呆れる……
まず何より面白いのが過剰さで、どこまで予算があったのかよくわからないけれども、とにかく少ない山場のシーンをどれだけ過剰に見せようと注力していたのがわかる。謎の車の受け渡し場所は爆発すること前提だし、周囲から離れた土地にポツンとある謎の一軒家は穴だらけになって倒壊してもバッチリオーケーという感じだし、まあとにかくそういう絵的に派手な銃撃戦をこれでもかというくらいしっかり見せるのはやっぱりいいよねえ。ヘリでバイクを追いかけるシーンだって、別になにか特別なことがたくさんあるわけじゃないけれども、これでもかってくらいじっくりたっぷり見せちゃうわけだし。
また、全体を通してストーリーラインは明瞭で、基本的には次の山場を予告しながら進む構造なので、読者の意識がダレないのも良いよね。わかりやすくドキドキできるし、そこまでの何でもない会話の時間が長ければ長いほど緊張感は高まっていく。低予算のシナリオってのはこういう感じで作るんだなーと感心しました。
あとなんと言ってもラブストーリーが良いよね。まあ言ってしまえば単なる吊り橋効果ではあるんだけれども、しかしジェンダーに対する偏見なんかを巧みに脚本に織り込みつつ、言葉少なにふたりの関係の進展を説得させてしまうのは、クリント・イーストウッドの面目躍如で、うーんマジで良くできてるなーと感心しました。決断のタイミングで母親に電話をかけるのがすごくいいよね……いや、良くできてる映画だわ。