いやーね、構成は正直ひでーと思うんですよ。そもそもこれ、さっさとあの親分にナイフさえ渡してしまえば全くなにも問題ないわけでしょ? そりゃまあ首飾りとか送れば映画的には色々楽しい感じで、百面相クリント・イーストウッドちょーすげー! となりますが、なりますが、でもあれ全然意味ないよね? 娘が危機に陥らないと物語が完結しないというのは、うーん、やっぱり構成上の都合を激しく感じてしまうなあ。
あとはなー、ジーン・ハックマンだのエド・ハリスだのの超豪華メンバーなのに、肝心のシーンがカットされてちょっと肩透かしというのはある。もちろん映画としてそういうつくりなのはわかるし、それはそれで楽しいのだけれども、この顔の濃い面々に期待してしまうアクションってのもあるわけで。
でもね、うん、やっぱ面白いわ。オレは大好き。最初の目撃シーンだけでも満点あげちゃう。泥棒中に殺人現場を目撃しちゃって、を合わせ鏡でアレだけ見せるかねー? イーストウッドのリアクション芸だけで大爆笑だよ。ってかフェラチオさせてるジーン・ハックマンと鏡越しに向き合うイーストウッドってシチュエーションだけでもう大勝利でしょ!
大統領である情報を明かすところとか、イスのエピソードでちゃんと親分のキャラを立てる辺りとか、あと演説で空港から心変わりをするポイントとか、いやー、序盤はホントに素晴らしいと思う。演出は全体的にモッサリしているけど、それでも見ちゃうんだもんなあ。