https://www.netflix.com/title/81399639
あー、これちょっと前に話題になってた「悪女」の監督の作品なのね。あっちは見てないけどたぶん映像が延長線上にあるんだろうなー。
でまあ好きか嫌いかで言うと嫌いな映像で、終始ブンブンカメラを回すメリットそんなにあんの? って感じ。あと印象的なカメラだと「ザ・レイド2」のOPとか「うおーこれカメラどう視点だ?」と思ったけれども、アレって演出含めてきっちりカメラが動く理由があったんだよね……泥の中でカメラの足跡がガンガンつきそうなところでめちゃくちゃブン回して、挙げ句集団戦闘を俯瞰で捉えるとか、その趣向・演出意図に痺れるわけだ。
この映画もある程度主観視点であることには仕掛けがしてあって、基本的には主観視点で情報が明かされていくこと、主人公は記憶喪失で視聴者と情報量の差がないこと……とか、まあ工夫はしてあって、序盤にストーリーを牽引する謎として提示された「記憶喪失」が、二重スパイという仕組みを使って説明されたのは、まあとてもナイスだと思う。
のだが、しかしだからといってこの表現形式のメリットがデメリットに勝っているかというと、うーん正直わからんなーと言うところ。アクションもおなかいっぱいやりたいのはわかるけど、バイク&左右の攻撃を狭い空間で防ぐ、が反復されて、カメラがぐるんぐるん回るもんだからショージキついていかなくてもいいかーって感じ。こういうアクションで見たいのって、生身の人間が動いているところだから、こういう映し方&編集の仕方だと、「あーはいはい色々弄ったのね……」ってちょっと気分が乗らないんだよなあ。ただまあ、リアリティレベルをちょっと低めに設定したおかげで、ラストの減りアクションのトンデモ加減が可能になったような気もするので、そこは善し悪しなのかしら……