ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

トリコ

 

へー、すごいなー。内容全然知らなくて、グルメでどうやって話を作っていくんだろうと不思議だったんだけれども、そうかーこういうふうにストーリーを展開するのか……普段あんまりジャンプマンガを読まないのでめちゃくちゃ勉強になったよ。でもこれ、たぶんワンピースとかもきちんと読むと、色々見えてくるものがあるんだろうなー。

色々面白かったポイントはあるんだけれども、まず何よりアイディアの豊富さに打たれるよね。読者参加の企画であることがコレだけきっちり機能するのもなかなかないんじゃないかなあ。自分のアイディアが誰かのフルコースに入るかもしれないってのは、応募する方としてもモチベーションになるよねえ。様々なアイディアが、マンガらしいリアリティの中できちんと見せ場を作っているのはとても良いと思う。本来「美味しさ」なんてなかなかマンガじゃ表現しづらいものだろうにねえ。個人的には、大きなストーリーの合間に挟まる、各ゲストキャラのちょっとした小話も、ワンアイディアをベタないい話に落とし込んでいて、嫌いじゃないです。

まーでもとにかくインフレのさせ方が面白かったなあ。個別のバトルの勝敗って、その場のアイディアのハッタリで決まっちゃうので、それを絵の力でねじ伏せるのもすげーなーとは思ったけれども。結構序盤から強さを「大きさ」で表現するので、そこんところどうやってインフレさせんの? と思ったけれども、捕獲レベルの存在がそこを地味に補っていたのが面白かった。まあしかし、バンバンキャラを出して、それが終盤に惜しげもなく死んじゃうのが、まーなんというか週刊連載ってすげーなーと思う。

しかしこの主人公、なかなか強さの表現が難しいよねえ。「主人公がなぜ強いか?」というのを、途中まではカロリーベースで説明したり、料理人との絆に求めたりしていたわけだけれども、結局内面の別人格に頼る展開になっちゃったからなあ。中盤の食林寺の修行編とかは面白かったけれども、結局あそこら編の内面の成長がそのまま強さの軸に……というわけにも行かなかったしなあ。そこはちょっとカタルシスとして難があるなあと思いました。