よ……よくわからん。中島らもの短編「日の出通り商店街いきいきデー」みたいに職業生かしたバトルをしてもらった方がよっぽどワクワクしたと思う。序盤でいきなり主人公の動機付けが強烈に提示されるわけだけれども、その選択で彼女は「私が生き残る」を選んだわけだよね。それって彼女の行動に何らかのドラマをもたらしているのが普通だと思うんだけれども、そこら辺がわりとフツーに処理されていて「え?」となった。あとあそこであの選択を突きつけたキャラがフツーに出て来るかと思ったらそういうわけじゃないんだもんなあ。いや、あまりに当たり前のエンタメとして構えすぎかしら……?
バトルロワイヤルに大統領選を背後に敷いたストーリーだけれども、ライフル協会が背後に控えていると描写もはっきりされていて、いやーちょっとプロパガンダが強すぎません? それともアメリカに住んでるとこれだけわかりやすく人種の差が描かれて、右派の白人を悪し様に書くことが、フツーにエンタメとして受け入れられるような状況、ということだろうか? 「人を殺すこと」「その心理」を一方的に理解不可能なものとしか描かずに、不合理な仕組みを社会の中枢に据えて描いて、なおかつそれを勧善懲悪のエンタメに仕立て上げるのって、ちょっと構図が安易すぎて、オレは全く乗れないなあ……チョコバー大好き少女の全く無意味で過剰な熱演が、ホント悲しく思えてしまいますわ。