ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

羊のうた

 

そういや途中で止まってたなーと思ってクソ久しぶりに読んだ。

まー今読み返すと多感な時期にこれをくらったらそりゃあ変な影響受けるよなーとは思う。ほとばしる厨二病感の中心に鎮座するヒロインがすげーし、その愁いを帯びた表情の説得力は今見ても強烈だなーと。そしてそれを支える精神性のヤバさが「あーやべー純度のものを見てしまった……」という感じ。劇物。

まー吸血鬼モノにはセックスの暗喩があるのは当然で、だから医者の「夢判断」からもあえて「性行為」が除いてあるワケなんだろうけれども、だったらもうちょいインセストタブーのヤバいところをゴリゴリ言って欲しかったかなー、とは思う。色々状況が合って出来事はあるんだけれども、姉弟の依存性がガンガン高まっていく感じにはあまり見えなかったというか……後半学校に行くことで彼女が幸せを獲得するというのは、ある意味で必要な展開だったのかもしれないけれども、やるんだったらもっとインセストタブーマシマシでふたりだけの世界を濃厚に描いてもらいたかったなーとか勝手なことを思う。最後も毒薬チューで死ぬとかそういうくらいで良いじゃん! みたいな。

まあ記憶喪失で終わらせるのはある意味優しさではあるけど、しかしなー、物語の都合の良い落とし所で妥協してしまっている感じはすげーあるよなーとは身勝手に思う。