いやー、おもしろいなー。アバクロとかオレ全く認知しないようなファッションに興味のない人間だったんだけれども、めちゃくちゃ楽しかった。
もちろん今の視点で見たら後半のポリコレ的な展開が重要なのはわかる。日本じゃ絶対肯定的に捕らえられないだろうなーという市民運動が成功していくのは、何か見ていて笑ってしまうくらいである。従業員のダイバーシティを確保しただけじゃダメってゴリゴリ問題提起してんのも、まあ当然なんだけれども強靱だよね。ただまあそこら辺って市民運動をエンパワーメントする映画で良くある展開ではあり、弱者が権利を主張してきちんとそれが社会に認められるのは、何度も見ている。
この映画で一番感心させられたのは、むしろ序盤のマーケティング・ブランディングの戦略で、なるほどこういったロジックでお金の循環を生み出していくのね、というのが目からウロコ。後半でたくさんの人々をターゲットにすることの優位性が説かれているけれども、前半で解かれていたブランディングによる差別化の戦略が決して劣っているようには思えないよなー。例えばエコに優しいというブランドイメージを与えることが差別化として機能したら、それは別に全然悪いことじゃないよねえ。