ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アイデンティティー

 

おおおお……ジェームズ・マンゴールド。「ナイト&デイ」で「もしかしてすごいんじゃ?」って初めて意識したんだけれども、なるほどこういう映画を撮っているのねー。いや、色々穴はあるけど嫌いじゃないよ。序盤の張り切り編集はちょっと張り切りすぎかなーと思うけど、でもまあそういう特殊なやり方をしなければならない必然性もあるし、終盤でこれまでの構成の意味がわかるところのやり口も良いし、うん、やっぱり嫌いにはなれないな……あとこういうドラマだと、序中盤の展開がどうでもよくなりがちだと思うし、実際どうでもいいはいいんだけれども、サイコを下敷きとしたモーテルの惨劇の予感でまあ引っ張っていて偉いなーと思いました。シャワーカーテンを雨合羽にするところとかいいよねー。

でまあ視聴者の興味としては、「この破綻した物語をどういう意味づけで着陸させるか」という所に絞られると思うんだけれども、そこである程度は納得のいく場所に着地していて本当に良かった。一番最後のクソどーでもいいどんでん返しも、「こういう状況だからこういうオチになってもおかしくはないよね」という落ちになっていて納得感はある。

もう少し各個人の象徴するバックグラウンドがそれぞれ殺人犯の物語に絡んでいればなあとは思うんだけれども、そのために長くするような話でもないからなあこれ……難しいところでありますね。