ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ライトノベル・クロニクル2010-2021

 

あーこれはすごい本ですね。

自分も前はラノベ読みをやっていたしこのブログの名前も一応その片鱗が残っているけれどもまあ全然読めてなくて、でもその割になんだかんだ読んでいるラノベも混じっていてうんうん偉いなあと思った。でもだめですねなろう系はまったく手がつけられていないので読んだことあるのは数タイトルの最初の巻だけですわ。

という自分でもなんか10年代のラノベの潮流が終えているように錯覚できる本で、いやしかしなろう系どころかレンジが幅広く「えーそんなところまでフォローして概略させてもらえちゃうの?」という大変資料的価値のありそうな本。こんなんめちゃくちゃ勉強になりますよホント。

でもこの本の良いところはそこじゃなくて、きちんとそれらのヒットシリーズの背景に独自の読み解き方を示しているところだよなー。むしろ特に後半「なろう系」と呼ばれている小説が現実社会の思想をどのように反映しているかをいちいち指摘してんのは大変素晴らしくて、いやー本当に良い仕事だと思います。だってこの本で「日本のフィクションが多様性とネオリベ的価値観をどのように捕らえているか」とか「ロリコンを巡るポリコレがどのように変化しているのか」みたいなところ考えたりできると思わないわけじゃないですか。いやー本当に面白い本でございました。