諸星大二郎はちょくちょく読んだんだけれども、なぜか妖怪ハンターには触れてなかったんだよなー。今からでもマンガを履修すべきか。
こっちは『鉄男』に続く塚本晋也監督の作品なのね。塚本監督は正直ピンとこないことが多いのだけれども、この映画は基本的な筋がシンプルなのもあってなるほど愉快だなあと思いながら見ることはできました。そもそも自分怖いとかはあんまり感じない方であるので、まあまともな見方ではないとは思うんだけれども。しかし広角の顔のアップですごいスピードで移動して、という映像は説得力があってビックリしたなあ。ああいう説得力のある絵についてはなかなか感心させられるところが多かった。
それにしても、原作を勝手に想像させられる作品であったなあと思う。人の顔が恐怖のトリガーになるというのは理屈としてすごくよくわかるんだけれども、その向こうに諸星大二郎の描いた通常の状態でも恐怖を催すあのタッチの顔が見えて、「原作はすげえ怖いんだろうな……」みたいな気持ちになる。SFXでがんばって怖く見せようとしているのはめちゃくちゃよくわかるし、ある程度は成功しているとは思うんだけれども……
しかし学校と地下のセットという狭い空間でこんなに話を引っ張っちゃうのはしょーじきパワフルだなーとは思う。沢田研二にああいう芝居させるのもどーかと思いかけたけど、でもまあそういう違和感があったからこそ1本分の尺が保ったんだろうなあとも思う。