ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ウインド・リバー

 

ウインド・リバー [Blu-ray]

ウインド・リバー [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/12/04
  • メディア: Blu-ray
 

あーこれは面白い。

話の筋としてはそこまで特異なことをやってるわけじゃないと思うんだけれども、雪中のインディアン居留地というシチュエーションが全体に緊張感を張り巡らさせていて、あーこの空気だけでも全然興味は引っ張れるんだなーという感じがする。ちょっと決めるところの台詞とかが滑り気味? という感じもするが、この状況の圧倒的な説得力でギリギリで耐えている感じ。ギリギリ。

まあ普通に考えたらあんなシチュエーションで集団レイプが起こったのが事件のきっかけと言われても「えーいくら雪で女っ気ないからってそんなことありえるかなー?」って他人事なワケじゃないですか。まして全く接点のない人種であるわけだし。そんな出来事を、ベガスからやってきたFBI捜査官という異邦人の視点を通して、「なんてひどい事件なんだ!」というところに感情移入できるまでを本当に懇切丁寧にやってるわけですねー。

で、人種的だけではなく、事件に共感するための架け橋になるのがジェレミー・レナーで、彼の存在感で観客はどんどん事件に感情移入させられていっちゃうわけですね。いやはや、彼の存在がなければ事件シーンであれだけショック受けないよなー。

あ、でもやっぱり一番説得力を持ったのは、間違いなく雪ですね。全編通して徹底的に描かれる「寒さの恐怖」が、人と人との結びつきを異様なほど強固にし、またねじ曲げるという……

うーん、シンプルだけれども、居留地のネイティブアメリカンの現状を描くのにきちんと選ばれた物語の構造、って感じがします。すばらしい。