ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

反逆の神話〔新版〕 「反体制」はカネになる

 

副題は論旨から言ってしょーじきどーかと思うなあ……特に序盤辺りの反感は大変しんどかった。BLMなんかを合わせて見ると、弱者が体制に対して抑圧されている場合、その異議申し立てはどうしても暴力的にならざるを得ない側面があって、ある程度までは社会的な安全弁として許容するべきではないかなあと思っている。というか、そういった暴動が起こった場合、それは暴動を起こしてしまった社会の問題として捉えるべきで、反体制的な運動を起こす人間の権利を一律「暴動を起こしそうだから」といって軽んじるような、そんな社会通念になるのはかなり危ないと思う。

まーしかし、実際問題抗議者の権利がある程度は尊重されている筆者の視点だからこそ、あえてこうやって描かれているのかもしれんなーと言うのは正直思う。基本的にはこの本に書いてあることは支持するし、人間がシステムを必要として、それは必ずしも抑圧的な悪ではない、という思想には同意だし、社会が適切に機能するためにシステムのデザインこそが肝要というのもまあ全くその通りだよねーと思う。ラディカルな左派の個々の自由な競争が最適解を導き出すというのが新自由主義と通じるところがある、みたいな観点はなるほどなーと思ったし、そういう意味で対立軸は社会の意味を読み解いて、協力して公共をデザインする意志があるかどうか、みたいな所にいくよなーとは思った。