ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アーカイブ立国宣言: 日本の文化資源を活かすために必要なこと

 

んあーあんまり立国宣言してなくねーか? 立国するにはもう少し日本という国家についての考察をたっぷりやって、その国家になぜ文化的なアーカイブが必要かという理論をきっちり積んで欲しかった感じがするんだけれども、そういう精神的な部分が結構雑に対談でスルーされてて「えー?」という感じ。どー考えても日本でアーカイブが進まないのは公益という概念をきちんと共有できていないのが問題なのに、対談の締めは個人の意識の問題にしてしまっていて、いやーそれ違うでしょ……いやもちろん個人の意識は最終的に問題にならなきゃならないのかもしれないけど、「立国宣言」とまでダイしているのだから、日本という国家にとって文化のアーカイブがどのような意味を持って、人々はそれを公益として認めてリソースをかける価値のあることがらであるという意識を共有する……みたいなところを具体的に出していかなきゃいかんでしょ。

そしてそこから各ジャンルのアーカイブを行っている人へのインタビューが始まって、それはそれでそれぞれ興味深い論点がたくさんあるのだけれども、やっぱりそれは各論にしか過ぎなくて、なんかプロジェクトXガンガン見せられている感じ。いやそういう現場力で対応する話じゃなくて、これはもっと大きな枠組みの話をするべき本じゃないの? みたいなことを考えながら読みました。