ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フォレスト・ガンプ 一期一会

 

うおー、今見ると色々複雑な想いを抱く内容になっているなー。

いや、これすげー昔に見ていて、小説の方も読んだはずなんだけれども、当時の自分からしてみりゃ公民権運動のあれやこれやなんてわかるはずもなく、だからまあふつーのエンタメオモシロ話として見ていたワケだけれども、少なくともこの映画版に関してはそういう見方で間違ってねーよなー。っつーかまあフォレスト・ガンプが名前からしてかなりアメリカ史に対して挑発的な立ち位置であるはずなのに、色んなものが脱臭されてこういうエンタメになってしまっているのはある意味めちゃくちゃ邪悪だよなー。フリーセックスでエイズになってしまうヒロインに、エンタメ的な障害みたいなのを全て背負わせてしまって、トム・ハンクスが主人公ならではの無敵さを、しかも障害者として発揮してしまっていて、二重にタチが悪いという感じ。「イノセントであるからこそ社会の問題を指摘できる人間」ではなく、「イノセントであるから社会の問題と距離をとる人間」としてキャラクターを描いており、それは逆に「社会の問題に積極的に関わる人間たちが愚かである」みたいな規範になりかけているよなー。

そういう意味で、あのOPの風に舞う羽根の描写と、あととにかく即物的に人間の人生を肯定してしまう汚れた靴の描写、めちゃくちゃ映画的に巧みであるだけに、めちゃくちゃ厄介。「おまえ全然『國民の創生』の反省がねえじゃん」みたいな批判もまあしたくなるよね。