今更読んだ。
まーなんつーか当たり前なんだけれども蛍がヤバイ。あのリアリティレベルでやられるの本当にうおーという感じ。っていうかどっかで見た気がするけれども、大学生になったばかりの男性が女装でゴスロリをチョイスするというその塩梅が、まあ今だとちょっと古い価値観ではありますが、当時としてはまだ全然アリなセレクションだったと思いますので、そのなんだ、えーと、ヒリヒリします。いやー、ゴスロリは男性的特徴を隠蔽するのに大変効果的な装いでありますよね。
という辺りに当然目を向けてしまうわけでありますが、まあそれはさておいて、大学のモラトリアムを祭り感を中心に描くフィクションってなかなか久々に読んだのであーこういうのは良いと思ってしまうなー。昨今学術会議がどーだこーだいってる話を聞くと、学びってのはこういう余裕が生み出すものみたいな解釈をしてしまいがちではありますね。
あとまあきっちり調べて描いている感じのマンガだから当然なのだろうけれども、だいぶ作者の思想が強い印象があって、なおかつそれが自覚できているから、コマの端々からリアルに対してきちんと留保をつけている感がありますね。もうマンガだからちょっと気持ち良くエンタメに振ることもできるのだろうけれども、そこら辺の価値観だの距離感だのがストーリーとも同調してて、そこら辺が大変効果を発揮している作品だなーと思いました。
それにしても笑い飯だなーと思ったら本当に笑い飯だった。っつか最後の恋愛パートの笑い飯の台詞、ちょっと額縁に飾っておきたいくらいにキレキレですね。ほんとうに素晴らしい。