ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

独裁者

 

独裁者(字幕版)

独裁者(字幕版)

  • 発売日: 2020/05/21
  • メディア: Prime Video
 

まあ一応見ておかなきゃならんかなーと思って再生したんだけど、いやー、今まで見たチャップリンとは全然テイストが違ってビックリした。美術にめちゃくちゃ凝ってて、力のこもりようが違うよなー。

しかし違うのは力の入れ方だけじゃなくて、全体のテイストもだよねー。ギャグも力がこもってて笑いきれないし、ストーリーも浮浪者パートの書き込みがだいぶ薄い。ヒロインとの繋がりがここまで希薄なのってアリなんだなーとちょっとビックリしました。

そしてラスト、大マジになってヒューマニズムの大演説が始まるわけですが、それまで独裁者のオーバーリアクションを散々弄ってきたチャップリンが、自らの言葉で何かを訴えようとするときに、その素振りがどんどんヒートアップしてヒトラーの独裁者のそれに近づいていくのは、いやあ、ホラーだったなあ。一方、この映画で一番共感が持てたシーンが、地球儀風船で遊ぶ独裁者のシーンであったりと、あー、この映画やっぱ全体的に破綻……までは行かないけれど、だいぶ歪な形をしている作品だよねえ。面白いとは全く思わなかったんだけれども、政治的なメッセージを映画スターがフィクションの形で発表することの意味について強く強く考えさせられる作品でありました。