うーん、おもしろい。
一点透視が多用される非日常的なアングルで、しかも日頃馴染みがない食物の工場を淡々と映しているだけなのだけれども、こんなに面白いとは思わなかった。じっくり見入ってしまった。
そもそも一点透視のアングルというのは人工物と相性が良い。工場が四角く区切られた用地に直線をベースに設計されているんだなーというのが非常に良くわかる。直線で規格化しされたその形は大量生産に対応した結果なのだということを強く感じる。
が、自然物は直線とまったく相性が悪い。丸かったりぶよぶよしてたりゴツゴツしてたり姿形が一定ではなく、規格化にも限度がある。だから食品工場は、規格化されていない有機物を、無機物で運営される工場にどういう手続きで適応させていくかが、めちゃくちゃはっきりと見える場所なんだなーと思った。
そういう意味ではニワトリのパートがめちゃくちゃ面白くて、細長い飼育小屋の中で逃げ惑うニワトリをゴムか何かの指でガンガンコンベアに載せていくのが大変面白い。排出されたニワトリを次々に四角い箱の中に詰めて行くところもちょースリリング。
無機物と有機物の媒介を人間が行うとき、触媒でしかない人間が工場のルールに押し込まれて道具化される当たりとかも、もうビジュアルで一発でわかるんだもんなー。映像は面白いなー。
あとはまあベタだけど、牛の精子検査のビジュアルインパクトはヤバいですね。