ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

バリー

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立て続けに黒人人権映画なのだった。

まーとにかくオバマがスマート。気持ち悪いくらいスマート。なんだけど、同時にどうしようもない酷さと弱さを抱えた若者としても描いているんだよなあ。同時代の権力者を、決して一方的に賛頌するわけでもなく、悩める欠点のある人間としてこうやって描けるのはまあすげーなーアメリカ、と思う。映画というジャンルの成熟を否応なしに感じさせられるヤツ。まーそもそも大統領の大麻吸引描いてるだけで「わははは」となってしまいますけどね。

そして彼が何をするにもその後ろには「アメリカ合衆国」が透けて見えてしまうのがまたすごいなあ。これ日本人の自分だから結構文脈見落としていると思うけど、アメリカ人が見たら色々読み取る情報多いんだろうなあ。いやー。

終始徹底して何かを明快に主張する映画ではなくて、鬱屈して悩みつづける主人公の姿を描いていたのがとても印象的だった。まあオバマをテーマにした映画で今更リベラルな主張をしてもしゃーないもんねー。人種を越えた恋愛というまあ大変わかりやすい「理想だけじゃどうにもならんよね」というドラマを中心に据えて、家族やら友情やら自分の居場所やらを徹底的に語ることで、良い塩梅で困難が山積みでしんどい話になっていて大変よろしかったです。