いやーおもしろいなー。ってかこういうヒーローの描き方があるなんて全然想像していなかったのでビックリした。
主人公の内面が空っぽでただ激烈に強いカタルシス発生装置、というのはまあバトルマンガでは成立するのだろうけど、まさかほんとここまで突き抜けて内面を空っぽにするとは思わなかったなー。しかもそれをヒーローモノでやるとか、いやー、すごいなー、マジですごいなー。ほんとに驚いちゃったよ。強くなる過程とか主人公の動機とかを空洞にして、それでストーリーを前に進めちゃうんだもんなあ。周囲のヒーローやら、あるいは悪役の方やらが、戦う強い動機付けを持っちゃうその構造は、強烈なヒーローモノへのアンチテーゼであるし、いかにも日本でヒーローを作りましたよ、という感じ。超面白い。
しかしまあドラマで言うと、強大な力を持ったヒーローと庶民生活のギャップで見せるギャグパートは大変面白いのだけれども、大きな話を作るのには全然成功していない感じがあって、あーうんそうなっちゃうよねーとちょっとガッカリはしている。ってかラスト3話の話ははっきりデキが悪いよなあ。主人公はともかくとして、周囲のS級のバトルが本当にかなりどうでもいいのはちょっとどーなのよと思う。明らかに無理が出てるよなーあの展開。
しかしまあ、そういった無理のあるストーリー構造が、超絶作画で無理やり説得力生まれちゃうのはまあ笑うしかないなー。サイタマの作画がギャグとノーマルとシリアスとの間を自在に行き来して、敵の強さのリトマス試験紙になる自由さがちょー面白い。手を変え品を変えカッコいいバトルを見せることだけに注力したエフェクトみてるだけでもう大満足だもんなー。こんな作り方があるんだなー。いやー。