ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

なんて素敵にジャパネスク

 

なんて素敵にジャパネスク (集英社コバルト文庫)

なんて素敵にジャパネスク (集英社コバルト文庫)

 

きょ……教養……ティーン向けの小説にこんなに教養があったのか……いやあ、すごい……

オレがこういう時代の教養なさ過ぎというのもあるけれども、当時の歴史風俗を下敷きにして、短歌なんかの解釈を丁寧にしつつ、少女の内面描写でグイグイ読ませる。ベタベタな恋愛のアレやコレやではあるけれども、まあやっぱりベタベタなものは面白いので大正義。なんだかんだこういう恋愛ものは読むと「ええのう……」と思ってしまう。

あとそこにちゃんと気の利いた読み物としての捻りもあって良い。一人称視点であることを生かしたサスペンスと謎解きがちゃーんと機能している。手紙を届けるあたりの主人公の推理&手に汗握る展開なんかは、いやーふつーにエンタメとして面白いですよね。というか主人公が利発なこであるのはやはり良い。とても良い。主人公可愛い。

ラノベの成立のあたりは少女小説とあんまり別れてなくて、『スレイヤーズ!』なんかの文体もなんで女性の一人称なのか謎だったりするのだけれども、まあこういう小説の影響は当然あったんだろうなーと思うよねえ。