ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アウシュビッツの会計人

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ドイツの映画はなんでいつもこんなに歴史認識に向き合っているんだろうとすげー不思議だったんだけど、これを見てわかったわ。元ナチを捕まえるとか、そこそこ映画の大罪になったけど、こんなにリアルと地続きな事象だったわけね。なるほどなあ……

っていうか、ニュルンベルク裁判がこんなにも切実に語られてるとは思わなかったよ。東京裁判なんて完璧に過去の出来事で切断されちゃってるわけでしょ? 一部のドイツ人がホロコーストを否定するのと、一部の日本人が南京大虐殺を否定するのでは、ちょっとその地続き感が違いすぎますよね。難民への差別への言及で、あーメルケルが殊勝やってる国だよなーって嘆息。

でもってこのスタンスは本当によろしくて、まあとにかく視点がニュートラルというか、安易に答えを出さずに考えさせようという意図が明白。元々アイヒマン実験的な「どこまでの人間を罪に問えるの?」っていう超難しい問題が前提としてあって、その時点で見る人によってはジャッジの仕方が違うと思うんだけど、後半での「彼女は許した」というひっくり返しが本当に有効に機能してるよねえ。答えが出ない問題に対して誠実に向き合ってちゃんと未来に繋げてる感じで、だからこそこのタイミングでこのドキュメンタリーが必要何だろうなあと思わされました。