ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

世界で一番ゴッホを描いた男

 

世界で一番ゴッホを描いた男 [DVD]

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うっわーめちゃくちゃおもしれー。

やっぱり舞台が中国深圳なのがもう抜群に良くて、経済が一気に成長している地域で地方から出稼ぎしに来た人間がグローバリズムに巻き込まれて手工業でゴッホの複製を量産している、という状況がまず大変良い。機械製品とかじゃなくて芸術作品、しかもずっと売れない絵を描き続けたゴッホの複製、というのがもう最高。今の中国で撮られるべくして撮られたって感じ。そもそも絵画というのが模倣からスタートするものであるし、そういう意味では題材として後期印象派のゴッホが選ばれているのもまあ納得感がありすぎる。深圳のミニチュアの観光名所に行った後ガチのパリのエッフェル塔を見に行くとか、そこら辺の作意からして自分が何を撮っているのかがバッチリわかっているよなー。オリジナルの絵が描けるだろうかっつってから地元に戻ってばあちゃんの肖像画を描くとかも、もうほんとズルい。

まあ後半で本物に出会って衝撃を受けて、オリジナルの作品を描く決心を得るに至るみたいな流れは、ウーンさすがにドキュメンタリーとしてはできすぎだなあと思うものの、強力なストーリーではあるものねえ。