ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ピカソになりきった男

 

ピカソになりきった男

ピカソになりきった男

 

おもしれー。いやーこれ映画にしちゃって良いよね。というかなんで映画になってないんだろう。とりあえずこの本にも出てるトラボルタの映画でも観てみるか……

贋作作家の半生を描いているワケだけれども、まあとにかく面白い。特に贋作作家になるまでの下りが超面白くて、あーなるほどこういう偶然に偶然が重なって贋作作家が生まれるのかーと感心してしまう。いやそれにしてもちょっと贋作を創り出すのに都合が良すぎでしょ、とは思うけど。マフィアに呼び出されるエピソードとか、もうそのまま映像化しちゃっていーでしょこれ。

あと作家の贋作に対するスタンスがちょー面白くて、鑑定士がその作家の作品と認めれば傑作で間違いない、というのは普通に考えれば「こいつなに言ってるの?」って感じになりそうだけれども、まあ確かによく考えてみりゃあサインの有無で作品の価値が変わっちゃうのって変な話だよねー。コピーを作ることに対しての憎しみとかも超面白い。贋作についてずっと考え続けてきた男の哲学って感じだよなあ。

そして何よりそのくっそ破天荒なエピソードが面白いし、そしてそのエピソードを語るその口調も最高にクール。「おれ」の一人称で語られる回顧録のスタイルがこれ以上似合う本もなかなかないよなー。