ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フェイブルマンズ

 

フェイブルマンズ [Blu-ray]

フェイブルマンズ [Blu-ray]

  • ガブリエル・ラベル
Amazon

前にスピルバーグのドキュメンタリー見たけど、思いっきり自分の幼少期を重ねた映画だな。スゲーあからさまなんでビックリしてしまった。

ただまあ、単純に自分の幼少期を描いているのではなく、そこに現実と映画の微妙な重なりというか、フィクションの罪みたいなところがしっかり刻印されているのが面白いよね。いじめっ子をヒーローのように描く場面で、被写体からキッチリカウンターを喰らっているのが面白いし、されにそこでの拒絶さえもさらに『フェイブルマンズ』という映画の中で描写してしまっているその二重性がもうタマラン! という感じ。それはもちろんこの映画自身に対する批判であるし、大叔父のかけた呪いがまさに発言していることの証拠であるよなー。

しかしまあ、そんこんなの小難しい解釈が、ジョン・フォードの登場でぶっ飛んでしまった感じもする。音楽さえへなへなになる超オモシロ入場で爆笑だし、地平線の有名なエピソードをブチ込んだ後、まあそうなるよねって苦笑さえ浮かんじゃうラストショットまで、なんか全部持って行かれてしまったなあ……という感じ。

これがスコセッシだったら、きっと映画というジャンルに対する愛情みたいなところが出てきそうな題材だけれども、あくまで私的な思い出にこだわって「映画」を描写するのが、スピルバーグの選んだ作家性なのだろうなあ、とは思いました。