『キャッチ&キル / #MeToo 告発の記録』で出てきたミア・ファローの息子とは別サイドの話なのね。そっちの方で概要は大体掴んでいたのだけれども、追求する主体が女性だと、やっぱり全体の感触が違うよなあ……まあ、向こうは向こうで特殊な立ち位置なんで、それは価値のあるドキュメンタリーになっていたけれど。
こういう作品を見る度に思うことだけれども、やっぱり「実名」での告白というのは報道にとってすごく大事なことなんだなあ、というのがよくわかる。というか、マスコミと一般人の間で、その実名告白の重みみたいなのが共有されていないのが、ネット上での騒動を呼んでいる感じもするよなあ……マスコミには二重の裏トリだとか、対人への共感を捨てない取材とか、そういうものが求められるという前提が、日本の報道には共有されていない気がして、それは送り手/受け手双方にとって不幸なことだよなーと思う。まただからこそ、報道のロールモデルとして、こういう作品が存在することは、とても重要なことだよなあ、と。
いや、日本でもジャニーズであんな巨大な事件があったのだから、それをきちんと取り上げるべきなんだよねえきっと。日本の芸能界でそれをやるのは難しい……みたいな意見もあるのかもしれないけど、ワインスタインだってハリウッドでそういう位置にあったわけでしょ? 事実に基づいた作品を形にして歴史に残すのは、大事なことなんだろうなあきっと。