たっぷり丁寧に監督スピルバーグを追いかけたドキュメンタリー。本人はもちろんだけれども、スコセッシやらデパルマやらディカプリオやらJ・J・エイブラムスやら、まあ豪華メンバーがインタビューを受けていて、それだけでも面白いですわね。
スピルバーグって、「ジョーズ」や「インディ・ジョーンズ」で知られるエンタメの旗手として頭角を現しておきながら、「シンドラーのリスト」みたいな社会派の映画もキッチリ撮れようになる間口の広さが魅力だとは思うんですけど、その間に「1941」「カラー・パープル」みたいな作品もあったわけで、そこら辺の変遷をキッチリとしてフォローしているのが良いですね。失敗を恥じてるスピルバーグ見て、人間だったと安心する……
スピルバーグ映画の魅力として、その鋭い映像感覚があげられているのが大変納得感ありますね。スコセッシが、確かヒッチコックの映画にも言ってたと思うんだけれども、「音を消して映画を見る」って話をしているのが印象的。現場を見てガンガンカメラの指示を飛ばせるのも、頭の中にそういう回路ができてるって証拠よね。
あとはやっぱり、「アラビアのロレンス」に対する思い入れの深さなあ……あの映画を、まだ小さいのに、そういう視点で感銘受ける監督だとは思ってなかったので、結構ビックリしましたよ。