なぜ脳はアートがわかるのか ―現代美術史から学ぶ脳科学入門―
- 作者: エリック・R・カンデル,高橋洋
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2019/06/22
- メディア: 単行本
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めちゃくちゃおもしれー!! いやね、ピカソの晩年の絵とか観て、オレ最近のGoogleのAIとかが作った悪夢な動画を思い出してたりしたの。もしかしてアレって、どっちも人間の脳の認識の仕組みを把握しようとするアプローチなんじゃないの? ってね。
そういう興味から読み始めた本だったので、いやーもう最高に面白かった。そうかー現代アートってやっぱり人間の脳をハックする試みだったんだなーって認識が裏付けられて私ひとりで大興奮。そもそも序盤のリアルな猿よりもイラスト化された猿の方が脳は強く反応するってあたりで世の中の見方が一変したよね。そうかそうだよねー人間は現実の光景からパターンを読み取るわけで、そのパターンを人為的に誇張したのがイラストなのかー。ってことはエロ写真よりもエロマンガの方が性的な感情を喚起させてもそりゃ当たり前だし、それはつまり脳の認知の方法をハックしてるってことだよなー。
あとアメリカの映画とかでアートって言うとやけにジャクソン・ポロックが出てくるような気がするんだけれども、アメリカにおける現代アートの流れも写真多めでバッチリ解説してあってもうそこだけで読んで良かったなーと思う。そうかーそういう流れでアンディ・ウォーホルが出てくるのかーと大納得。
でもってここら辺のアートはむしろ脳がボトムアップ一発ではわからないことを探求しているわけで、トップダウンの文脈を追いかけようとしない一般人がアートに断絶を感じるのはむしろ自然なことなんだなーと思いました。